塗装工事における仮設 “足場” とは

塗装工事における仮設 “足場” とは

外壁・屋根塗装をする際に必要となる『足場』について。

費用の相場、足場の必要性などわかりやすくご説明します。

■足場とは

足をかける所。あしがかり。特に、高い所での作業が円滑に進められるよう設置される仮設。

塗装工事において、本来目的である建造物に塗装を行う際に用いる仮設の建築物になります。

仮設足場工事自体は1日で終わりですが、最初に設置された足場は、その後続く、養生、高圧洗浄、下地処理、塗装といった、一連の作業の安全性と施工品質を維持し続ける重要な存在となります。

工事中に使用する足場は、工事が終われば撤去されます。ですから”仮設”というわけですが、これがなければ基本的には外壁塗装工事はできません。

足場の種類

  • 単管足場
  • 単管ブラケット足場
  • クサビ足場(ビケ足場)

家の立地や建物の大きさに応じて、適切なものを選んで使用します。

足場が設置できない現場では、「無足場工法」が選ばれることがありますが、ロープやブランコなど、足場の代わりとなる器具を用意しなければなりませんので、「無足場」と名は付いていますが、足場の一種と考えることができます。

 

■外壁塗装の足場“費用”について

★ 足場の相場価格は1m²あたり700円~1000円

足場価格には、平米あたりの相場が存在します。

その価格相場を、現場ごとの「足場架面積」に乗じることで、足場設置費用を求めることができます。

このふたつを知っておくことで、業者が提示する足場設置費用が、相場以内か高額かを見極められるようになるでしょう。

一般的な戸建て住宅の場合、大きさによりますが20万円前後は足場代としてかかることが多いです。

この金額には足場にかけるシートも含まれています。

例えば台風の時、風にあおられると足場が影響を受けるのですが、シートも風の影響を受けることがあります。

こういう場合はシートをたたみに行くようにします。

つまり足場代とはただ足場やシートを建設、解体する以外にも作業期間中の足場やシートのメンテナンスも含めた金額だとご理解ください。

 

★ 足場架面積とは

足場架面積とは、文字通り、足場を設置する面積のことです。足場架面積は、建物の外周を使って求めることができます。

足場は通常、建物の外壁よりも、0.5mほど距離を開けて組み立てますので、足場の外周は建物の外周よりも、ひとまわり大きくなります。

つまり、建物の外周に0.5m×8箇所=4mをプラスしたものが、およその足場の外周となります。

この予測足場外周に対し、(建物の高さ+0.5m)を乗じることで、足場架面積を求めることができます。

平米あたりの価格相場を、現場ごとの「足場架面積」に乗じることで、足場設置費用を求めることができます。

これを知っておくことで、業者が提示する足場設置費用が相場以内か高額かを見極められるようになるでしょう。

 

★ 相場より価格が大幅に安すぎる場合は注意

過密な作業工程が組まれている可能性があります!

価格が相場よりも安すぎるということは現場を1日に何本も詰めて過密な工程になっている可能性があり、その場合やはり事故やトラブルを誘発しやすい環境と言えます。

足場というのは組むのに1日、解体に半日はかかります。それ以上早くこなすことも可能ですが、足場というものは組むのも解体も慎重に行っておきたい作業なのです。

 

悪徳業者の値引きは信用してはなりません!

「高額な足場設置費用無料!」  「今なら足場設置費用が半額!」

などと宣伝している業者が、実際に、足場費用0円の見積もりを提示してきても、よく見ると、足場費用を値引いた分の金額が、他の項目に上乗せされており、結局値引きされていないということがあります。

そのような手口に騙されないためにも、一棟あたりの外壁塗装費用の相場を知っておき、「足場が割引されたのに、相場費用よりも金額が高い」と気づくことが大切です。

 

■足場の役割

★ 現場の安全性を高める

  • 高所でも職人が体制を崩しにくくなり、敷地内での転落事故を防ぐ
  • 足元・手元の自由度が上がるので、工具を落としたときや体制を崩したときに、とっさに受け身を取りやすくなる
  • 足場の下にいる家の住人も、物や人の落下による事故から守られる

★ 高所での作業を安定させる

  • 建物の周りに作業する空間が確保できる
  • 作業スペースが増えることによって足元・手元が安定する
  • 工具を持ち替える際、足場の板に塗料の缶や工具などをいったん置き、手を開放することが可能になる

脚立でも事足りるのではないかと考える方もいますが、脚立にはそのようなスペースがないため、足元や手元が不安定になり、物や人の落下や、施工ミスのリスクを高めてしまいます。

★ 作業効率が上がる

工事における1つ1つの作業がスムーズになり、無駄な時間が削られます。

  • 工具の持ち替え
  • 施工箇所の切り替え
  • 工事工程の移行

※脚立のみの塗装は時間がかかる

脚立でも塗装が行えないことはなく、例えば平屋の外壁塗装などは、脚立だけで事足りることもあります。

しかし、脚立は作業中に左右へ移動できないという大きなデメリットがあります。

一か所の施工が終わるたびに、脚立を次の施工箇所に移動させなければならず、ひとつ前の施工箇所に不備があれば、また元の位置に脚立を戻すことになり、作業効率が非常に悪くなります。

このような不便な施工環境では、職人の業務怠慢を招きやすくなり、施工ミスや手抜き工事を誘発しかねません。

 

★ 飛散防止ネット(メッシュシート)で現場周辺を守る

足場組立て後、飛散防止ネット(メッシュシート)を足場周りに張っていきます。

《 飛散防止ネットの役割 》

  • 工事中に発生する粉塵や塗料の飛散を防ぐ
  • 高圧洗浄作業時の水しぶきを防ぐ

 

足場がなければ、飛散防止ネットを洗浄箇所ごとに用意しなければならず、作業効率が悪くなり、部分的に張られたネットの隙間から水しぶきが漏れやすくなってしまうなど不具合が発生するでしょう。

 

 

■塗装工事で失敗しないために、1つ1つの工程に疑問をもつことが大事

外壁塗装工事で設置される足場は、現場の安全性や施工品質を保つための重要な役割を担っています。

設置費用は高額ではありますが、塗装を行うためには欠かせない費用です。

大幅な値引きをして騙そうとする業者などには惑わされないよう注意しなければなりません。

足場設置の目的とは何か、設置費用の相場や求め方についての知識など、工事前に不安材料・疑問がある場合はしっかりと解決しておくことが大切です。

工事で後悔しないために、安全対策・施工管理に余念のない優良業者に外壁塗装工事を依頼しましょう。

 


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