マンション・大規模修繕工事について

マンション・大規模修繕工事について

どんなに頑丈な建物でも、定期的なメンテナンスが必要になります。マンションも例外ではありません。

特に、公共設備や外壁は定期的な修理をしておかないとマンション全体の価値が下がってしまいます。

そこで、今回は大規模修繕工事の内容や簡単な流れをご紹介したいと思います。

マンションの規模が大きければ大きいほど修繕工事の費用も高額になり、期間も長くなります。

そのためには、事前の計画・住民への説明・情報開示をしっかりと行い、理解を得ておくことが大切です。

これから大規模修繕工事を控えているマンションのオーナーさんや住人の方の参考になれば幸いです。

■マンションの修繕工事とは

マンションは、住人たちの占有エリアとマンションに住む人たち全員の共有エリアのふたつに分かれています。
賃貸マンションの場合、店子(賃貸の店舗で営業しているお店の事)の家賃や敷金で占有エリアの修繕を行うことも多いでしょう。
共有エリアは、オーナーが修理を行います。
また、分譲マンションの場合、占有エリアは分譲者が修繕を行い共有エリアは修繕積立費で修繕を行うのが一般的です。
外壁は共有エリアになりますので、賃貸マンションの場合はオーナーが修理をします。
分譲マンションの場合は管理組合の主導で修理を行うか、別に大規模修繕工事実行委員会などを作って、その人たちが主導する場合もあります。

■外壁大規模修繕工事は何年ごとに行うのか

建物の外壁は雨風や直射日光が常に当たり続けるため、マンションの中で最も劣化が早い部分です。
外壁がタイルの場合、劣化すると下地から浮き上がってやがて剥離(はくり)します。
外壁タイルの劣化を放っておくと事故につながる可能性がありますので、早急な対応が必要になります。

国土交通省は、マンションの築10年目を目安に大規模な修繕工事を行うよう推奨しています。
築12~13年目に最初の大規模修繕工事を行うマンションが多く、その後は、10年~15年ごとを目安に行うのが一般的となっています。
また、年数ではなく定期的な点検をして大規模修繕工事が必要だと判断されたときに工事を行うマンションもあります。

■外壁大規模修繕工事の内容とは

おおまかに分けると、

  • 建物の検査
  • 補修・修理
  • 洗浄工事
  • 塗装工事
  • 防水工事

 

【建物の検査】

補修工事とはいえ、マンションの外壁全体を工事するわけではありません。
まずは検査をして、どのような工事がどのくらいの規模で必要なのかを調べていきます。
この検査結果に基づいて、工事の費用や期間を決めていきます。

【補修・修理】

外壁の補修・修理は、ひび割れ・タイルの浮きなどの他にも、ベランダの手すりを修理したり、共有部分のコンクリートのひび割れなども修理の対象になります。
ちなみに、マンションの外廊下も外壁の一部になることが多いです。
そのため、普通の戸建て住宅よりも費用と時間がかかり、大掛かりな工事になる場合が少なくありません。

【洗浄工事】

外壁には日々様々な汚れがつきます。
汚れをそのままにしておくと、美観も損なわれ外壁の劣化にもつながっていきます。
そのためには、まず初めに高圧洗浄で汚れをしっかりと落とす事が大事です。

【塗装工事】

外壁塗装が劣化すると、防水機能や断熱機能も落ちてしまいますので、大規模修繕工事の際に外壁を塗り直すところも多いでしょう。
なお、タイル張りの建物には塗装を行いませんが、現在はタイル張りと塗料が塗ってある壁が混在しているスタイルのマンションなども多いようです。
場合によっては、外壁だけでなくベランダの手すりや屋上などの塗装も行います。

【防水工事】

あまり知られてはいませんが、マンションのベランダは共有部分になります。
ですから、大規模修繕工事の際に一緒に防水工事をするところも多いです。
ベランダの防水機能が弱まれば、階下への水漏れなどの不具合が起こる原因となりますので、しっかりとした調査が必要になってきます。
また、屋上の防水工事を行う場合もあります。

 

■外壁大規模修繕工事の工期や費用

大規模になればなるほど費用が高額になり、工期が長くなる

当然のことですが、マンションの規模が大きくなるほど費用と工期がかかります。
では、大規模マンションに住んでいるほど、負担が大きくなるのかといえば一概にそうともいえません。
大規模修繕工事を分譲マンションで行う場合は、住人全員で工賃を負担します。
大規模なマンションはそれだけ入居者も多いですから、実質的な負担はそれほど変わらない場合も多いでしょう。
ただし、築年数が経過して空き部屋だらけのマンションの修繕工事をする場合は、入居者の負担が大きくなるケースもあります。現在、この問題に頭を悩ませているマンションは多いようです。

 

工事期間中に気をつけておきたいこと

マンションの大規模外壁修繕工事は、約1ヶ月程度かかる場合もあります。
築年数が長いほど劣化部分も多くなりますので、修繕にかかる時間も長引きます。

この間、ベランダや階段などが使用できなくなったり、時間帯によっては共有廊下の通行に制限が出たりするかもしれません。
また、窓のすぐ外を職人が動き回ったり、物音などにも神経質になってしまう場合があるでしょう。
工事中はベランダで洗濯物が干せなくなったりカーテンがあけられなくなったりもします。
職人のトイレや休憩施設は業者側が用意するので問題はないでしょう。

以上の点などを踏まえた上で、住人からの不満が出ないようにしっかりと事前の説明を行うことが大事です。

 

最後に

マンションの大規模外壁修繕工事は業者への依頼の仕方や費用によっては住民同士で意見がまとまらないこともあるため、理事会にとっては頭が痛い問題です。
工事費用はできるだけ安く行いたいという方も実際多いです。
ですが、工事費を節約した結果、手抜き工事が行われていたといった実態もあります。

大規模修繕工事は必ず行わなければならない工事です。
ですから、その費用を修繕積立費で賄えるようにマンションの管理会社と管理組合の間でしっかりと話し合いの場を持つことが大事です。


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