建設業界における“中間マージン”とは

建設業界における“中間マージン”とは

中間マージンとは何かご存知時でしょうか。

建設業界における『中間マージン』とはどのようなものかをお話します。

■中間マージンとは

(読み方:ちゅうかんマージン)

売り手と買い手を仲立ちする事業者が(仲介業者)が得る利益のこと。

「マージン」は売買の差額から得られる利益や販売手数料を指す語。

  • 売買によって生じる差額利益
  • 販売に委託する手数料
  • 取引での証拠金

【請負】

請負(うけおい)は請負人がある仕事を完成することを約し、注文者がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを内容とする契約です。

 

 【元請け】

工事発注者と契約して直接に仕事を請け負う業者。

建設業法にいう「元請負人」とは、元請契約の当事者であり、下請契約における注文者であって、建設業者になります。

多くは総合業社で、元請業社はその請負った工事を発注者の書面による承諾を得ないで一括して第三者に下請負させることはできません。

 ゼネコン・・・・元請負者として各種の土木・建築工事を一式で発注者から直接請負い、工事全体のとりまとめを行う建設業者を指します。

 

 【下請け】 

元請契約の当事者である建設業者を注文者とする請負業者のことを下請け業者と言います。

職別、設備などの専門工事の一部分を担当する業者。

「 下請」「サブコン」ともいう。 建設・設備業界以外でも通用している。

もっと簡単に言うと、ある人や会社などが引き受けた仕事の全部または一部を、さらに引き受けてすること。

 

 

例えば、施工依頼を受けた元請けA社が、ある程度の手数料を引いた後に下請けB社に実際の施工や顧客の対応をお願いします。

中間マージンが思っている以上に元請け会社(下請けに仕事を流す元の会社)によってとられてしまっています。

このときの手数料を『中間マージン』と言います。仲介手数料、紹介手数料ともいえるものです。

ハウスメーカー、工務店、大手外壁塗装業者、リフォーム業者など、中間マージンが発生する業務形態の中、中間マージンはいくらぐらい取られているのでしょうか?

業者によって金額は変わってきますが、思っている以上にとられていると考えておきましょう。

例えば、100万円の外壁塗装工事を行った場合、元請け業者は40万円をとって下請け会社に60万円で工事をさせます。

この時点ですでに工事金額100万円支払っているのに60万円のリフォームしかしてもらえません。

60万円の工事費からさらに20万円の中間マージンをとって、下請けの下請けである孫請け会社に仕事を流されてしまうことさえあります。

その場合、客は100万円支払ったのにもかかわらず、工事には40万円しか使われず、その他の60万円はただ紹介しただけで実際には施工しない元請け会社、下請け会社にとられてしまうのです。

外壁塗装業を始めたばかりの仕事があまりない孫請け会社は40万円でも仕事がないよりかはいい為、仕事を受けます。

しかし40万円ではまともな工事は出来ません。中にはこんな悪徳業者も存在します。

  • 塗料を薄めて使用
  • 塗る回数を減らす
  • 工程を省いたりして工期を短縮するなど

このようにして、現場作業において手抜き工事をする事でコスト削減を図り何とかして黒字を出すことも現状あります。

これはあくまでも例えなので、工程の内容や実際の工事金額の価格については各業者によって様々です。

という形で中間マージンが発生し、想像している以上に支払額が多くとられてしまっているのが現状です。

相場以上のお金を支払う事は避けたいものですが、支払った金額から大幅に減らされた分で簡単な工事しかしてもらえないのも避けたいものです。

もちろんデメリットだけではなく、元請け会社が非常に大きい場合、保証がしっかりしているなどのメリットも存在する可能性はあります。

また、業者間での協力のもと、中間マージンが大幅にカットされることもありますので、最終的に優良な業者選びができるかどうかが工事依頼の鍵となります。

 

■下請け業者に直接工事依頼が出来ない暗黙のルールがある

ここまでの説明から、工事依頼は元請けにお願いするのではなく、下請け、孫請けの会社に直接頼めば、適切な金額で工事をしてくれるのではないかと思ってしまいます。

しかし、お得だからと言って、工事をする下請け業者、孫請け業者に仕事を直接お願いする事は出来ないことの方が多いのが現状です。

例えば、以前、大手リフォーム業者にお願いした時に実際に施工してくれた業者さんに、今度は直接お願いしてお金を浮かせようというような考えは業界の暗黙のルールで出来ないことが多いです。

大手リフォーム会社の中間マージンは、私たち消費者にとっては煩わしいものかもしれません。

しかし、それが社会のルールとなっており、もしそれを破ってしまうと、その下請け業者に次回以降大手リフォーム会社から仕事が来なくなる、なんてことも有り得る話なのです。

 

■中間マージンを知った上での業者選びチェックリスト

工事依頼をする上で、中間マージンが発生することは避けて通れないものだとわかりました。

そういった中でいかに良い業者さんに依頼できるのかがポイントとなります。

□ 地元に強い会社であるか

□ 広告費を過度に使っていないか

□ 会社の建物が自社のものなのか

□ 資本金が掲載されているのか

□ 店舗数・従業員の数

□ 資格を持った職人が在籍しているのか

□ 施工管理の体制

□ ホームページがあるのか

□ ホームページの充実度・更新状況・運営状況

 

このようなポイントを重点に、下調べしておくと良いでしょう。

業界の裏側を全て知ることは難しいことですが、現状を知っておくことは大事なことです。

今後、工事依頼の際の判断基準のひとつとなりますので、頭の片隅に覚えておいて頂ければと思います。


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