塗装工事前に知りたい!~外壁塗料について~

塗装工事前に知りたい!~外壁塗料について~

「外壁塗装したいけど、塗料は何を選べばいいの?」

今回は外壁塗装に主に使用される、塗料の種類と特徴についてご紹介したいと思います。

外壁塗装で使用される塗料の主成分はいずれも合成樹脂で、そこに含まれる物質によって仕上がりの見た目や耐久性が変わってきます。

 

 

【 塗料の種類別 耐久性・平米単価・特徴】

下記の平米単価は3回塗り(シーラー等+中塗り+上塗り)の合計単価になります。

怪しい業者だと、3回塗りで2,300~3,000円のシリコンを、1回塗り辺り2,300~3,000円の単価で提案してくることもあるので注意が必要です。

《 アクリル 》

■ 耐用年数・・・ 4~7年

■ 平米単価の相場・・・ 1,400~1,600円

■ 特徴・・・

軽量で、色をくっきり見せる効果がある塗料。

コスト面でもっとも優れていて、紫外線に弱く、耐用年数が短め。

・耐用年数は比較的短いがコストパフォーマンスが高い

・汚れやすく耐久性に劣る

・現在は使用されないことがほとんど

 

《 ウレタン 》

■ 耐用年数・・・ 6~10年

■ 平米単価の相場・・・ 1,700~2,200円

■ 特徴・・・

アクリル系塗料に比べて、防水性と耐水性に優れた塗料。

比較的安価で、バランスがとれている。用途の範囲が広く、戸建住宅を中心に幅広い建物で使用される塗料。

密着性にも優れており、塗装の剥がれが気になる箇所にも適している。

・耐用年数は安定している

・コストパフォーマンスが高い

・汚れ、色褪せ、耐久性、施工性などバランスが良い

・シリコンの次によく使われる外壁塗料

・塗料の剥がれが気になる箇所がある場合に効果的

 

《 シリコン 

■ 耐用年数・・・~15年

■ 平米単価の相場・・・ 2,300~3,000円

■ 特徴・・・ 

ウレタン系塗料に比べて、耐久性と対候性、仕上がりのよさに優れた上質な塗料。

弾性にも優れているので、塗膜の下で小さなひび割れができても、防水性を損なわない。

耐用年数が長く、コストパフォーマンスのよい塗料で、最も人気のある塗料です。

・耐用年数に信頼のある上質な外壁塗料

・住宅の屋根、外壁の塗り替えで最も多く使用されている

・汚れや色落ちに強い・防カビ性・防藻性など高い性能あり

 

《 フッ素 》

■ 耐用年数・・・15~20年

■ 平米単価の相場・・・ 3,800~4,800円

■ 特徴・・・ 

耐久性、耐候性、撥水性に優れているが、一方で汚れやすいというデメリットもある塗料。

美しい光沢もありますが、価格が最も高いので、一般住宅ではそれほど普及していない。

・耐用年数レベルは高い

・耐用年数はもっとも優れているがコストが高い

・主に商業施設や大きなビルなどで使用されている

・光沢感と防汚性も高い

・近年は住宅の外壁用としても使われている

 

 

単価や耐久年数に幅があるのは、同じシリコン塗料でもその中でグレードの違いがあったり、各メーカーによっても違いがあるからです。

耐久年数とは、あくまでも期待できる耐久年数で、塗料(塗膜)がしっかりと機能することができる年数です。

絶対にこの年数まで持つわけではありません。

また、外壁塗装の耐久年数は、壁の材質・日光の当たり具合・周りの環境などに左右されるので、全く同じ状況の家はありません。

そのため、実際の家に塗ってテストした耐久年数ではなく、各メーカーが機材を使って負荷をかけて耐久テストをした年数になります。

※ 期待耐久年数が来るまで一切劣化せず、この年数になってから劣化が始まると誤解している方も多いのですが、

外壁塗装は塗ったその日から劣化が進みますので、ギリギリこの年数まで耐久できるという年数になります。

 

【塗料はどんな成分からできているのか?】

【顔料】 

水・油・一般溶剤などに溶けない着色または無色の粉末。

・塗料の色を形成する着色顔料(着色顔料には色をつける有機顔料と対候性に優れる無機顔料が存在する)

・厚みをつけ塗膜の増強・光沢の調整を行う体質顔料

・その他防錆や防カビ等の機能を付与する機能性顔料

【樹脂】

硬化して塗膜の主成分となるもの。

アクリル塗料やフッ素塗料などのグレードを決定するのはこの樹脂が何であるかによる。樹脂の種類によって柔軟性や対候性が変わってくる。

【添加剤】

塗膜を形成する副要素。

防カビ、防錆、防腐、凍結防止など様々な機能を塗料に付与する。

【溶剤】

樹脂類の希釈の為に配合されるもの。

揮発性の為、塗膜にならずに蒸発する。

 

【迷ったらシリコン樹脂塗料】

外壁塗装工事で選択されることが多いシリコン系塗料ですが、シリコン塗料とひとくちにいっても、下記のように種類があり仕上がりも全く異なります。

シリコン系塗料の中には、水性1液型溶剤1液型溶剤2液型と3つの種類があります。

水性1液型
  • 耐久性、密着性は油性と比べると劣る。
  • ホームセンター等に売られている水性塗料と同等品。
  • 大手メーカーが主に使っている塗料で、扱いやすく環境への負担が少ない。
溶剤(油性)1液型
  • 水性塗料より耐久性が高く、現在主流の塗料。
  • 一般的な塗装店で最も使われている種類。
  • ホームセンター等に売られている油性塗料と同等品。
溶剤2液型
  • 耐久性、密着性共に水性1液型溶剤1液型よりもはるかに優れている。
  • 使用する際、硬化剤を混ぜる必要がある。
  • 溶剤2液型こそがプロが使用する一級品。

 

外壁だけでなく、雨どいや雨戸など他の部分にも溶剤2液型を使用すると、素晴らしい仕上がりとなりますが、硬化剤を混ぜる手間があり扱いにくいので、外壁だけ溶剤2液型を使用し、他の付帯部分には安い溶剤を使用するという業者も多いです。

希望する仕上がりにより近い塗料・工法を選定するためには、細かい所にもしっかり目を配ることが大事です。

 

最後に

塗装工事するためには、選定すべき項目がたくさんあります。

中でも塗料に関しては、何を選ぶかで仕上がりや耐久性に大きな差が出てきます。

希望の予算内で、満足・納得いく内容の工事にするために塗料の種類や特徴を知っておく事が大事です。

注意したいのは、依頼者側の知識が乏しく業者側に頼りきっていると、中にはそれをいいことに言葉巧みに悪徳工事を平気で進めてくる業者も存在するということです。

今後外壁塗装をお考えでしたら、事前にある程度外壁塗装についての情報を調べ、見積りの際にも数社見比べて厳選してから慎重に工事の依頼することをおすすめします。

無知の状態での依頼はなるべく避けて、基本情報だけでも頭に入れた状態で業者の話を聞いてみてください。

知識があれば不思議と業者の良し悪しがわかるようになり、ある程度の知識を持っている依頼者に対して業者側の対応も変わってきます。

人生に何度とない、大きな買い物ですので依頼する側が損をすることがないよう、実績と知識があり適正な工事の提案をしてくれるような業者に工事の依頼をしましょう。

 


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